支払日の誤認による弊害

学生ローンでは、月々の返済約定日が利用者ごとに違うケースがほとんどです。
支払日が決定されるタイミングは、審査の結果、融資OKが出た時になります。
融資OKが出た際に、融資担当者から支払日の希望を聞かれます。
普通はアルバイトの給料日の2~3日後などに設定するのですが、中には何も考えずに適当な日(例えば1ヶ月後など)を指定してしまう事も珍しくはありません。
そうすると、暫くすると支払日がいつなのか、分からなくなってしまう利用者も時折でてきます。
そこで学生ローンに連絡をして、改めて確認をすれば済む事なのですが、確認もせずに勝手に支払日を変えて(実際は変わっていない)、振り込みでの返済を続ける人がよくいます。
 
支払日を勘違いする事でどういった弊害が生じるか?
例えば毎月の返済約定日が27日で、実際の入金は毎月10日付近だったとしましょう。
これを半年、1年と続けた場合、いったいどういった事がおきるのでしょうか?

仮に現在の利用が20万円、契約利率が17%の場合で、毎月3,000円ずつ返済していったとします。
この場合、延滞がなければ大きな問題はありません。
(実際は返済額がギリギリなので、多少の問題は残ります[後述])
 
200,000円を30日間利用した場合の利息は約2,800円ですが、延滞となると30日あたり3,287円が必要になります。
そうすると毎月平均487円の不足金が発生し、1年続けると約6,000円近く利息が不足する事になります。
金額だけ見るとそれほど大きな影響はないように見えます。
しかし、2年続けると不足金は12,000円にもなります。
 
充当順位
返済額の充当には優先順位があり、利息の不足金がある場合は以下のようになります。
不足金 > 利息 > 元本
勘のいい方はもうお気づきだと思いますが、不足金が最優先順ですので、もし2年間放置した場合、12000円の不足が出るという事は、4ヶ月の長期滞納という事になっている可能性が高いのです。
 
知らない間に延滞情報が・・
4ヶ月滞納となると、信用情報上に延滞情報が登録されてしまいます。
そうなる前に学生ローンから何度も通知や電話などがあるはずですが、こういうパターンはまず連絡が取れないケースがほとんどなので、利用者はいつまでも状況を把握できていない事が多いのです。
 
このケースの問題点
今回の例で問題となるのは、第一に支払日の勘違いです。
それともう一つ、返済額がギリギリすぎるという点です。
仮に延滞がなかったとしても、利息は日割り計算の為、実際に入金する日によって異なります。
利息の計算は、前回入金日の翌日から今回の入金日までの日数で計算される為、月単位で見ると25日だったり35日分だったりする事は当たり前のように起こります。
もちろん、毎月例外なく支払日通りに入金する人は別ですが、大抵の場合、長い取り引き期間の中では、多少のズレは生じるものなのです。
 
対処法
今回のケースでは、まず支払日をきちんと把握しておく事です。
次に、月々の返済額を少し多めに用意する事が好ましいです。
例えば、月々の最低返済額を5,000円と自分で定め、確実に実行すれば入金日のズレによる不足金発生の心配はありません。
また、200,000円の利用ですと30日あたりの利息は約2,840円ですので、5,000円の返済であれば月平均2,000円以上は確実に元金も減っていく事になります。
元金が減れば利息も減っていきますので、月々返済額を多くすればするほど有利になります。
先の例での悪い点は、学生ローンの返済方式である「元金自由返済」に甘えた格好となっており、仮に不足金の問題がなかったとしても、残高は一向に減りません。
極論すると永遠に返済をしていく事になります。
 
まとめ
月々の支払日をきちんと把握しておくこと。
月々の最低返済額を多目に設定すること。
 
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